アウルボーイの日記

カシワギマサルを主人公に、武道場の建設経過を書いて来ました。

フクロウの回想-2(原生林でキノコ狩り)

タケノコ狩りに変わってキノコ狩り

前回の「原生林のタケノコ狩り」に続いて「ノコ」繋がりになりましたが、原生林の「キノコ狩り」になります。

 

なんで原生林にキノコが豊作になったのか、追って見ます。

 

健太叔父さんが就職直前に、大きな台風で北海道全土に大きな被害が有った。
カルルス温泉付近は国有林で囲われた温暖な地域ですが~~

 

原生林は昔から人間の手が入らず、樹木が伸びて自然現象で折れたり、倒れたたり枯れたりが通常の現象です。何年かすれば、野鳥や風に乗った種が飛来し萌芽し森に育ちます。


但し昭和の中期、大型の台風で太いエゾ松やトドマツ・ダケカンバなどが根こそぎなぎ倒され、下草的に生えていた日陰者の様な根曲がりだけが勢いを得て、2年目にはタケノコが一斉に吹き出し、倒れた木にキノコが発生しました。

台風15号(別名洞爺丸台風)の中心コースを見ると、日本海海上を進んでカルルスとは離れて居ても、進行方向の右側の風速が強いことが分かります。

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当時の北海道新聞の記事です、函館港もカルルスもかなり離れて通っています

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根は張って居るが地面が軽石の様な火山灰で頼りない土壌だった

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永年強風に逢わずに生きてきたが#15号には敵わなかった

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現在の洞爺湖は穏やかな顔をしていますが11万年前は荒れ狂って居たようで、最初の画像の黒い部分の地面が周辺に舞いあがり厚さ数十メートに堆積したようです。ちなみにカルルスと直線で27キロあるらしいですがまるで足元になりますね。

洞爺丸台風(昭和29年9月26日#15台風)


このような地球的規模の大噴火の地域ですから、生えている木々はそう深くは根を張れない状況なわけです。

 


風倒木になったエゾ松・トドマツは樹高が20~30メートルに素性よく伸びていますが、地下茎は軽石の上に積もった木の葉や倒木が腐葉土2~3メートルに根を張って居るだけで直根も2~3メートルしかなく、強風には耐えきれないようでした。

 

カルルス温泉は、オロフレ山や来馬岳の反対側の加車山に囲まれた渓谷に位置し、洞爺丸台風の様な渦を巻くような強風には遭遇して来なかったのでしょう~
 

 

台風の通ったヤマは、太いエゾ松やトドマツなどが根こそぎ倒れ、生活道路や国道が通れない状態になった。(*国有林の管理は、昔は営林署と言うう役所が有って、署と言うからには警察署・税務署などと同等で、格式があった)

 

根は張って居るが地面が軽石の様な火山灰で頼りない土壌だった

永年強風にも逢わず、生きてきたが#15号には敵わなかったようです。

 

カルルス温泉は、オロフレ山や来馬岳の反対側の加車山に囲まれた渓谷に位置し、近隣にも大小の温泉が湧出して居ます。

 

【透明な「   芒硝」(硫酸ナトリュウーム)が含まれた単純温泉で、℃46~68の温泉が毎分1.200リットル湧いてくるそうです。温泉は明治19年に発見され、明治22年(1899)に連絡道路が開削され温泉として認証されたようです)(ここまではWikpedia-より抜粋転載です)

 

健太が在住したころも含めて、近郷の農漁村の冬季の閑散期に湯治場として繁盛し、今でもお年寄りが2~4週間の長期滞在で自炊の宿泊も出来るそうです。

カルルス温泉”鈴木旅館”

カルルス温泉”いわい”

カルルス温泉湯元”オロフレ山荘”

カルルス温泉”山静館”

健太がカルルス時代にお世話になり現存する旅館・ホテルです。

 

カルルスの存在は、地政学的には洞爺湖誕生時の大噴火に起因するのでしょうが、11.7万年前の噴火で一面が火山灰で高低差も無く軽石が積もっていたのでしょう。

 

日本人の起源が35.000年前の旧石器時代より少し前だというので、11万年前は日本列島は未完成だったようです。

史実や一部の学説では、17.00年前までナウマン象というマンモス的な動物が列島に生息して居たようです、シベリヤから渡来して居たようですね。

自然の恵み

前号で「危機一髪のタケノコ狩り」で書きましたが、「風倒木」が処理せず放置してあるため、経年で腐食した広葉落葉樹は腐葉土と相まって、キノコ菌にとって丁度良い住処で、色々なキノコが自然に発生したようです。

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シイタケ菌を植えずに自然発生のシイタケが群生します(^^♪

 

国有林を管理するお堅い営林署も自然現象の山菜取りは黙認して来たようです。
「ヒグマの出没に注意」のポスターで喚起し、「公園内の植物・高山植物の採集は厳罰です」と、併記してあった。
(*営林署は1999年改組され、森林管理局の下部組織となり現在は「森林管理署」となった)

 

 

 風倒木の処理は、材として利用できるのだけを定寸に切断し落葉樹のダケカンバやミズナラは、邪魔になる部分だけ伐採され残材は残るので、2~3年目ごろから地面に接する部分から腐ります。

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腐ったミズナラの自然木にヒラタケと少し傘が薄いウスヒラタケが群がるように生えてきます(^^♪

 健太叔父さんが、カルルスで仕事をしていたのは1955年ごろですから、65~6年前の話です。